食物アレルギーは、「正しい診断に基づいた必要最低限の食物除去」が基本です。
食物アレルギーの正しい診断は、血液検査や皮膚テストで陽性であることだけでは不十分で、加えて、特定の食物を食べて症状がでることを確認して行われます。
もっとも正確な方法が、院内で疑わしい食物を食べて症状が出るか様子を観察する、食物経口負荷試験です。
また、食物経口負荷試験は、正確な診断のためだけでなく、アレルギーのある食べ物がどのくらいの量を食べられるかを確認するためや、治っているかどうかを確認するためにおこなわれます。
アレルギーのある食物も、食べられることが可能な量がわかれば、食べられるお菓子や料理の種類も広がります。また、少しずつでも食べることで、早く治す効果が望めると考えられています。
当院では、ガイドラインに記載されている、段階的負荷試験をおこなっています。
1回の負荷試験で食べる量は決まっており、症状が出なければ(陰性)、ご自宅で何度か同じ量を食べていただきます。負荷試験の後の外来診察にて、ご自宅でも問題ないことを確認(再現性の確認)をし、次の多い量の負荷試験の予約をします。また、食べられるお菓子や料理について説明します。
もし症状がでた場合は、半年から1年ほどあけて再度負荷試験をおこないますが、症状なく食べられる量はご自宅で食べ続けていただきます。
どのくらいの量を食べるかは、今までの症状や食べたことのある量、検査結果などから総合的に医師が判断します。
当院では、一部の鶏卵の負荷試験では、国立病院機構相模原病院で使用されている負荷食と同様の、『たまこなパウダー』を使用しておこないます。使用するかは、鶏卵負荷試験の負荷量(食べる予定の量)に応じて医師が判断します。
負荷試験時に使用するパウダーは当院で準備しますので、患者様のご負担はありません。
『たまこなパウダー』は、厚生労働省研究班(研究代表者:国立病院機構相模原病院 海老澤 元宏 先生)において、全国の専門家やキューピー社の協力のもと、長年研究開発され、製品化されたものです。
相模原病院では、このパウダーを使用した負荷試験の有用性と再現性を確認し、報告されております。
詳しくは、下記のURLの株式会社たまこなのホームページの製品説明をご覧ください。
食物経口負荷試験は、個室の中で行います。
食物経口負荷試験は、診察のうえ、必要性を医師が判断して、説明、同意書を取得のうえ、ご予約をとります。
また、重症度が高いと判断した場合は、当院での負荷試験をおこなわずアレルギー専門の病院へご紹介させていただきます。紹介先はご家族のご希望をお聞きして決めさせていただきます。